A. このサイトで紹介している図形のコンセプトを、サンプルを使って説明します
◆ メインコンセプト
正多角形の周期性(円盤上で回転しながら帰結と周回を繰り返す様子)をモチーフとした幾何学模様を紹介していきます
正多角形の頂点を単純につなぐのではなく、各頂点から広がる頂角の中に、複数の節点を配置し、これらをつなぐことによってできる「線」を各頂角の中に連続して描くことが共通したコンセプトです
直線だけでは重なりあうことで混みあった構図になるので、多くの場合滑らかな曲線を使って描いています
曲線を描くには、ひとつには点でつなぐ方法(ドットライン)がありますが、点(ここでは節点)の数を極力減らしたいので、ベクター画像として仕上げています
図形の骨格となる線描は開始点に終了点が重なるようにしているので、完成した時には、円と同様切れ目のない一本の線になります
つまり「一筆書き」となるのですが、これも共通したもうひとつのコンセプトです
◆ 図形の基本となる「コマ」の描画がポイント
各頂角の中に同じ図形を配置できるように、まず基本となる折れ線(コマ)を描いて、このコマを頂角ごとにつなげていきます
例えば桜の花模様を描く場合、ひとつの花びらを描いてから、5角形の頂点上に同じ花びらを回転させながら配置するのと考え方は同じです
最初のコマが描けたら、次の頂角に合わせて次のコマを描いていきますが、この時、注意していることが2点あります
- コマの開始点は、前のコマの終了点に一致すること
- 頂角の順位に応じて、コマを正多角形の中心点を基準に回転させること
最後のコマの終了点が、最初のコマの開始点に重なるまで、コマを回転させながら繰り返し描いていきます
完成した図形は『一筆書き』で描いた「閉じた」図形となり、単色を入れた時には単純な格子柄になります
◆ ページトップのサンプルの図形について
このサンプルは、正14角形の頂点の位置を交互にずらして、7角形の複合型に変形しています
この図形のコマは2つの頂角をカバーしていますが、隣り同士の頂角ではなく、5つ先の頂角につなげてひとつのコマにしています
(この方法に至るまでには、『一筆書き』になるように、いろいろと試行錯誤を重ねてきたのですが、ここでは説明を割愛させていただきます)
2つ目のコマは(360÷7)度、反時計回りに回転させて、最初のコマからつなげています
3つ目のコマは更に(360÷7)度、反時計回りに回転させて、2つ目のコマからつなげています
同様の描画を7つ目のコマまで繰り返します
ひとつのコマは、13個の節点をつなげて描いていますので、完成した図形の全体では84個の節点を84本の線分(曲線)でつなげた構図となります
ひとつの線分は、直線を曲げて曲線にするための方向点(節点を起点とする方向線の端点)を両端に持っているので、都合168個の方向点で曲がり具合を調整しています
この、合わせて252個の点の位置を座標(X座標とY座標)として計算し、骨格となる図柄を線描しています
完成した骨格は格子柄になっているので、それぞれの格子と線に色を入れ仕上げています
なお、このサンプルでは、併せて、完成した図形の輪郭を編集して外枠も描いています
◇ こちらも参考にしてください…「Q. 正多角形の角数は?」