星型グループに作品を追加しました(star003)

星型の中では、ちょっと変わったコマを使った新作(star003)を「星型グルーブ」に追加しました
コマの線描はシンプルなものなのですが、星の先端を180度捻ることによって、図形の外周部の存在感を強く出すことが出来た作品です

星型の定番になりつつあるのですが、この作品も7角形の複合型に編集したいので、28角形の多角形を原型としました

コマの原型はシンプル

この作品の元となった線描は、28個の頂角を連続して描いたタイプで、これだけではリング型に近い描画になっています

この段階でのコマ(緑の線)は、ひとつの頂角を描ければ良いので、節点も10個しかありません

これだけでも彩色次第で作品に仕上げることはできるのですが、図形の中心のスペースも使いたくなって、アレンジを重ねていきました

最初のアレンジでは、コマ(青の線)は2つの頂角をカバーし、ひとつのコマごとに1個の”しずく”を内側に配置しています

これは、内側に28個の”しずく”を描くと混み合ってしまうので、”しずく”が重ならないようにした結果です

なお、このコマでは『一筆書き』にならないので、サポート線(赤の線)を使っています

コマの仕上げ

次に、外側の星の先端部に注目し、ここの”しずく”も独立した印象を持たせたかったので、交互に大きさを変えて間隔をとるようにアレンジしました

外側の”しずく”を大中小の3つの大きさに変形して、4つの頂角をコマとする7角形の複合型にアレンジしたものが、今回の作品のコマ(ピンクの線)です

なお、途中の段階では必要となったサポート線は、4つの頂角をカバーしたことによって不要となりました

内側の”しずく”は隣同士が接するような配置も試してみたのですが、最終的には少しだけ離すことにしました

コマの節点の数は43個になり、数は増えましたが、頂点の位置以外は共通の設定が使えるので、数ほどには複雑な構成にはならずに済みました

方向線も全ての節点で前後両方向指定しているので、節点と方向点の合計は図形全体で882個になります

仕上げ

まず、モノトーンの格子柄を描いてみました
今回は7角形を意識したものと、そうでないものの2点から彩色のヒントを見つけようとしました

ちょっと黒のインパクトが強すぎるかも知れないのですが、明るく躍動感のある彩色にチャレンジしました

アレンジ

モノトーンの違いでも分かるように、いろいろなアレンジが出来そうです
スケルトンの他に3パターンの彩色を試みたので、バリエーションのページもご覧になってください
バリエーションはこちらです

その他のグループに新作を登録しました(misc002)

その他のグループ」に新作(misc002)を登録しました

作画の工程と出来上がりのイメージは和柄に近い作品ですが、基本の構図が単純なのでその他のグループとして掲載しました

円を交互に重ねながら等間隔に広げただけなのですが、個々の図柄はイチョウの葉を、また全体は牡丹のような花を思い浮かべながら構図を調整しました

原型となる骨格は17角形の多角形の各頂角に円を配置し、中心に向かって位置を頂角の半分ずつずらしながら交互に重ねていきました

コマの描き方は何通りかあると思うのですが、中心のスペースの大きさが、個々の円の扁平率によって変わってくるので、中心から外側に向かう放射線上にコマをつなげる方法をとり、重ねる層の数を調整し易くしてあります

扁平率を変えたサンプルを作ったので、全体のイメージの変わり具合も見てください

角数が偶数の場合

今回のコマは頂角2つ分の範囲をカバーし、コマからコマへのシフトは2角分になるので、偶数の角数では狙い通りの図形を描くことが出来ません

偶数の場合には、次の様なコマを使います

2つの頂角をカバーしているので、交互に大きさを変えたアレンジもできるようになります

完成した骨格にモノトーンの色を入れたものがこちらです

仕上げ

白を挟んで3色の色を入れ、外枠を含む格子線にはスケルトンの枠を上から重ねてみました

アレンジ

アレンジとして2つのスケルトンを作ってみましたが、この他にも、少し趣向を変えたアレンジをしてみたので、バリエーションのページもご覧になってください
バリエーションはこちらです

和柄グループに新作を登録しました(wagara002)

日本古来のパターン模様である和柄の中でも、代表的な模様である千鳥格子をモチーフとした作品(wagara002)を「和柄グループ」に登録しました

本来の千鳥格子の縦横比に近い構図になるような角数を探して、今回は23角を選びました

最終的に、この骨格を選ぶ過程で、2回ほど大きな編集をしています
ひとつは、直線的な格子の一部を曲線に変えて、全体を柔らかなイメージに変えたところです
もう一つは、図形の中心を基点に捻りを入れているところです

コマのサンプルを作ってあるので、こちらをご覧ください

オリジナル(直線のみ)と、一部を曲線に変えただけ(捻りなし)のコマを使った図形も併せてご覧ください

ひとつひとつの千鳥が右上に引っ張られて、何となく縦長になっているような感じがしたので、捻りを加えて調整しました

もともとは、正方形を組み合わせた配置図を作って、個々の正方形の線分を変形させてコマを描画しているのですが、今回のように出来上がった全体のイメージが狙った通りにならない場合もよくあるので、結果を確かめながら試行錯誤を重ねています

今回の作品のコマは106個の節点を指定して描いていますが、基本となる図形の節点は14個で構成されているので、位置をずらしながら複製をつなげているので、作業的には大きな負荷はかかりませんでした
なお、106個のうち、60個の節点について前後両方向の方向線を設定しています

仕上げ

単純なモノトーンの格子柄にしたものがこちらです

茶系の格子縞で、さらに広がりを感じられるように明度を変えながら色を入れました
外周をアレンジした外枠も加えてあります

アレンジ

この作品のアレンジには、21角と22角の構図の作品を含んでいます

リング型グループに新作を掲載しました(ring002)

ハートをモチーフにした新作(ring002)を「リング型グループ」に登録しました

この作品では42角形の多角形を元に、頂点の位置を大小交互になるように編集し、21角形の複合型に変形しました

ハートのイメージがリング上で混みあわないように、若干シェイプを絞り込んであるので、「矢尻」に近い形になっています

コマの構造はシンプルで、『一筆書き』に仕上げ易いように、向きを交互に入れ替え、加えてメリハリをつけるために大きさを変えてあります

投稿画像

リング型は個々の図形のイメージをそのまま表現したい場合が多く(この場合は「ハート」)、そのためにコマ同士の接触をあえて避けるようにして、コマが意図を持てるように仕上げています

コマの複製

基本図形が描けたら、大小のハートの配置が逆になるようなコマを新たに作り、2重の環になるように、最初のコマの内側に配置します
この時、4つの大きさのハートは相似形になるように注意して編集しています

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最初のコマの構図は、ハートを2つ向きを変えてつなげた形になっています
節点は11個(2個は重複)、このうち6個に両方向の方向線を指定しています
2つ目のコマは節点の位置を調整するだけなので、ほぼ複写に近い工程で作成することが出来ます

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具体的に方向線のイマージを描いたものがこちらの青線です
青線の両端が方向点です

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こうして仕上げたものが、今回の作品の骨格になります

仕上げ

外側の図形の外周をアレンジしたものを外枠として加え、まずは単純なモノトーンの格子柄からイメージを膨らませていきました

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色入れ

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モノトーンの白に三色の色を入れただけのものがこちらです

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これはこれで面白いのですが、ハートのコンセプトが弱いので、外側と内側の間の格子の黒を抜き、色も追加して完成です

外枠に薄いグレーを塗り、図形の線も同じ色にして、サポート線が消えるようにしてあります

アレンジ

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星型(star002)のバリエーションを追加しました

星型の作品(star002)の解説で、角数を拡張するためのコマの作り方などを説明しましたが、同じコマから角数だけを変えた図形がどのように変化していくのか、具体的にサンプルを作成して一覧にしました

理論的には3角形から可能ですが、現実的ではないので12角から34角までの23通りのバリエーションを一覧にしてあります

「バリエーション」の一覧ページはこちらです

星型グループに作品を追加しました(star002)

このサイトで紹介していく作品の原点ともいえる星型の新作(star002)を「星型グルーブ」に追加しました

28角の多角形を原型とし、そこから連続する4つのコマを連結して新しいコマを起こし、7角形の複合型に編集しています

原型を複合型に編集する考え方や、『一筆書き』で仕上げるためのヒントなどの解説もしていきたいと思います

コマの書き方はひとつではない

原型となる28角形の骨格は以下の通りですが、コマの作り方は必ずしも一通りとは限りません

今回採用しているコマはパターンA(赤線)です
パターンBのコマ(青線)の方が、完成後の描画をイメージし易いし、描くのも楽なのですが、『一筆書き』で仕上げるためには、パターンAの方が拡張性が高いので、コマの設計には手間がかかりますが、このパターンを使うことが多くなっています

拡張性の高さを重視しているのは、同じコマを使って多彩な角数の図形を描画することがあるからです

今回の作品は28角形を原型としていますが、20角形の図形を描画する時に、コマの作り方によって『一筆書き』に支障が生じる例を説明します

パターンAでは、コマの開始点(=直前のコマの終了点)は直前のコマの開始点から頂角の1角分だけ時計回りに移動(図形の中心から360÷20度右へ回転)しながら描画を続けていきます
サンプルのように4つのコマを描画した時点で、それぞれの頂点も1角分ずつシフトしています

一方、パターンBではコマの開始点と終了点の間隔が5角分あるので、4コマ描画した時点で、#4のコマの終了点は#1のコマの開始点に重なってしまいます
これでは、20角の星型を描こうとしても『一筆書き』では4角形の星型になってしまい、それ以上の角数を描くことが出来ません

今回のように28角形だけ使うのであれば構わないのですが、いろいろな角数に拡張しようと思っても、パターンBでは10角形や15角形など、5の倍数の角数の星型を『一筆書き』で仕上げることが出来ないので、パターンAを使っているわけです

ところで、コマが垂直でなく右上のところに斜めに描いているのが気になる方もいるかも知れないので、ここで言い訳です

「フリーフォーム」を描く時、時計の12時の位置を開始点として右回りに書くことが多いのですが、この時、左上の象限に節点が入らないようにしてます
角数のバリエーションを描く時、左上の象限に節点があると、その位置をアルファベットの記号で割り振っているので、角数に応じて記号を変更しなければならないからです
(詳しくは、描画ツールを公開した時に説明したいと思います)

複数のコマを編集して新しいコマを作る

今回の作品は28角形を7角形の複合型に編集してします

原型の28角形を描いてから、連続する4つのコマを編集して新しいコマを作っています

新しいコマは上図左のサンプルの節点AからB、C、Dを経由してEが終了点となるように連結します
同時に、#1、#2、#4の頂角の頂点の位置を中心側に移動して、全体のイメージを7角形の複合型になるようにアレンジします

新しいコマの節点には、異なる線分が共有する節点があるので、「フリーフォーム」を描く上では33個の節点を指定しています
図形全体では(33-1)×7=224個の節点と、448個の方向点を指定して描いています

28角形の原型から7角形の複合型に編集したものが下の図形です(赤線がコマです)

一番大きな頂角を意識すると、何となく7角形が見えてくるのではないでしょうか

仕上げ

今回の作品のもう一つの特徴は中心部分にスペースを確保したところです
ここに文字を入れた場合に、周りの格子と干渉しないように広めにしました

黒を基調に、青紫を使い、明度を変えて広がりを感じるように配色しました

アレンジ

その他のグループに新作を登録しました(misc001)

星型、リング型、和柄のいずれのグループにも入らない作品(misc001)を「その他のグループ」に登録しました

モチーフとなる原型は特になく、主に無作為に描いたコマから規則性を見つけてパターン化した図形を作品として仕上げています
敢えて言えば、今回の作品は「ヨ」の文字をモチーフにしているかもしれません

共通した描き方は、円盤内に同じ形の部屋(格子)を割り振り、ひとつひとつの部屋に同じコマをはめ込む方法です
家紋とか紋章のイメージのように、コマの模様を単独でアピールするときに描きやすい手法です

それぞれのコマが自己主張できるように、角数は抑え気味で、今回の作品は14角の多角形がベースとなっています

今回の作品の線描の骨格は下図の通りです(赤い線がコマです)

この作品のコマは73個の節点を持ち、その中の54個の節点について前後両方向の方向線で曲線を描いているので、108個の方向点で曲がり具合を調整しています

このコマは開始点と終了点が同じ場所に配置してあるので、単独で「閉じた」図形となっています

したがって、コマは一筆書きになっているのですが、図形全体ではつながっていません
サポート線を使って描く方法もあるのですが、今回は全体を一気に描くのではなく、「マルチ描画」を採用しています

作品全体の構図を格子状に切り分けして、それぞれの部屋(格子)にコマを割り振る描き方です

全ての節点の座標がユニークになる場合には、コマ同士が重なることがないので、サポート線を使う必要性はあまりなく、後工程で削除する手間が省ける分生産性を落とさずに済みます

基本図形の複製を同心円上に貼り付ける

今回は、環状の基本図形を4重に配置してあります
基本図形の複製を縮小して、間隔が一定になるよう調整しながら貼り付けて仕上げました

仕上げ

コマの構図が4翼からなっているので、淡い色合いの4色を選んでいます
最後に、コマの中心に描いた「木瓜(もっこ)」を鎖状につなげた円を別途作成し、外周上に外枠として配置しました

和柄グループに新作を登録しました(wagara001)

日本古来のパターン模様である和柄をモチーフとした作品(wagara001)を「和柄グループ」に登録しました

和柄のコマとなる図形は誰もが一度は目にしたことのあるもので、その中から代表的な千鳥格子の一種を最初の作品として取り上げました

和柄は同じ図形が2次元の平面に展開されているところが特徴であり、M.C.エッシャーのだまし絵と似ているところがあります
騙すというよりは、平面の広がりの中に誘い込むような魅力に溢れていると思います

ただ、平面の大きさにその世界がとどまらざるを得ないので、無限性を求めるには限界がある一方、円盤上に展開することによってまた面白い世界観を築くことが出来そうです

今回参考にした和柄は、波線を縦横に交差させた格子柄で、図柄としては単純な構図となっています

パターンを構成する基本図形も小さいものなので、角数は増える傾向にあり、今回も34角の多角形がベースとなっています
コマは2つの頂角をカバーしているので、作業としては17角形の図形の描画と同じになりました

今回の作品の線描の骨格は下図の通りです(赤い線がコマです)

このコマの波線の曲がり具合を決定する過程で、思ってもいなかった図形もできたので、その図形も紹介したいのですが、まずは波線の曲がり具合について、曲げ具合の強弱で変わる様子をサンプルでご紹介します

最終的にはCのコマを採用しているのですが、作業としてはAのように直線で正方形を円盤状に配置するところから始めています
線分がS字状になるように方向点を調整しているのですが、曲げの強度に応じてコマのパターンが変形して行きます
F以上に曲げてしまうと線分同士が重なり始めるので、Fくらいが限界でした

どのような図形に仕上がるのか、結果が分かるようにB、DとFのケースでサンプルを作ってみました

コマに捻りを入れる

次の工程で構図全体に流れる動きを入れるために、渦巻き状の捻りを入れます
具体的には、図形の中心から離れるにつれて元の位置から円周上をスライドさせています

スライドの大きさによってコマのイマージが下記のサンプルのように変わります
AからCは時計回りの方向に、DからFは反対方向にスライドさせています

どのような図形に仕上がるのか、結果が分かるようにAとEのケースでサンプルを作ってみました

サポート線を活用する

この作品を仕上げる過程で、一筆書きで一気に閉じた図形を作成するために、一旦サポート線を含んだコマを作成し、完成後サポート線を削除しています

今回の図形はコマの節点が35個あるので、全体では(35-1)×17=578個の節点を持っています
全ての節点から方向線を伸ばしているので、更に1,156個の方向点を指定しています

これだけの点を持つ図形を精緻な模様として描くためには、閉じた図形として一気に仕上げる必要があり、例えば、17個のコマを360÷17度ずつ回転させながら接合させていく方法も考えられるのですが(実際やってみて挫折しましたが)、全ての点をあるべき場所に正確に配置することは簡単ではありません

最近の描画ソフトは、回転や繰り返しなどの機能が使いやすくなっているので、大きなコマであれば、おおよその位置に配置することもできるのですが、和柄の様なパターンではうまくいきませんでした

かといって、全ての点の座標を細かく指定するのも1000を超えるケースとなると生産性が極度に落ちてしまいます

このような理由から、後工程で削除という作業が発生しますが、サポート線を活用する方法を採用しています

以下のコマがサポート線(赤線)を含んだ原型です
一筆は右上の丸から始まり、右下の矢印で次のコマにつながっています

仕上げ

朱色を基調とした色合いにし、外側から内側に向けて濃度を落としてグラデーションの効果を狙いました
外周は格子のコンセプトを活かすために外枠で囲んであります

出来上がって気づいたのですが、なぜか渦巻のように中心に流れる動きを感じます

最後にバリエーションのひとつとしてスケルトンタイプの図形を紹介します
立体的な骨格の構造に見えるように、線の太さを段階的に変えた4つの図形を重ねて描いています