織物の文様として知られている「紗綾型(さやがた)」をモチーフにした作品(wagara006)を「和柄グループ」に追加しました
一般的な紗綾型は「まんじ」を斜めに重ねた構図になっていますが、円盤型に展開し易いように斜めの線を水平/垂直に引き直したものをベースにしました
一般的な紗綾型文様
AとBの違いは描線だけでは分りずらいところがありますが、色を入れてみるとはっきりしてきます
いずれも、描線だけの時には主役に見えた「まんじ」模様が、色を入れると主役から離れて図形の境界に留まり、いわゆる脇役になっているところが面白いです
今回の作品は、よりポピュラーなパターンBを選んで基本となる図形を作りこみました
線描に基づいた描画
配色すると分かるように、パターンBでは「工」の字に似た基本図形が比較的大きなものになるので、多角形の角数も相対的に大きなものが必要になります
ただ、多すぎても中心部分が混み合ってくるので、今回は22角形を選択し、それぞれの頂角に基本図形をひとつ配置することにしました
ただし、コマ(ピンクの線)となる基本図形は2つの頂角を使って描いています
また、 『一筆書き』となるようにサポート線(青い線)も使っています
色入れしたものがこちらです
これはこれで色々なアレンジが楽しめるのですが、線の太さについては中心部分がつぶれないようにするために、あまり太くすることが出来ません
中心から段階的に線の太さを変えることもできないことは無いのですが、かなり大変な作業になります
境界の描線をアウトラインに変える
そこで、描線の太さを変える代わりに、中心距離からの位置に応じて幅を持たせた面に変えた図形を作りました
コマの部分を拡大したものがこちらです
青い線はサポート線です
モノトーンの他幾つか色入れした作品がこちらです
元図形の描線の部分を広げることが出来た分、アレンジに広がりが出てきます
アウトラインにカーブを加える
直線的なアウトラインの境界線にカーブを加え、全体的に柔らかなイメージの模様にアレンジしました
加えて、「まんじ」の交差点に円を可描しました
このパターンで色入れした作品がこちらです
外郭もアレンジして加えてみました
更に、捻りを入れる
モチーフにした原図の「斜め」のイメージに近づけるために少しだけ捻りを入れてみました
また、中心のスペースにもまだ加描出来そうなので、全体を扁平してコマの構成を増やしてみました
このコマの節点は748点、方向点は820点、図形全体で17,226点の座標を指定しています
基本の構図の配置パターン(上図の拡大図)が決まれば、それをコピーして中心からの位置だけ加減すればよいのですが、久々の大作でそれなりの時間をかけた作品となりました
仕上げ
今回の作品の完成形とアレンジです