このサイトで紹介していく作品の原点ともいえる星型の新作(star002)を「星型グルーブ」に追加しました
28角の多角形を原型とし、そこから連続する4つのコマを連結して新しいコマを起こし、7角形の複合型に編集しています
原型を複合型に編集する考え方や、『一筆書き』で仕上げるためのヒントなどの解説もしていきたいと思います
コマの書き方はひとつではない
原型となる28角形の骨格は以下の通りですが、コマの作り方は必ずしも一通りとは限りません
今回採用しているコマはパターンA(赤線)です
パターンBのコマ(青線)の方が、完成後の描画をイメージし易いし、描くのも楽なのですが、『一筆書き』で仕上げるためには、パターンAの方が拡張性が高いので、コマの設計には手間がかかりますが、このパターンを使うことが多くなっています
拡張性の高さを重視しているのは、同じコマを使って多彩な角数の図形を描画することがあるからです
今回の作品は28角形を原型としていますが、20角形の図形を描画する時に、コマの作り方によって『一筆書き』に支障が生じる例を説明します
パターンAでは、コマの開始点(=直前のコマの終了点)は直前のコマの開始点から頂角の1角分だけ時計回りに移動(図形の中心から360÷20度右へ回転)しながら描画を続けていきます
サンプルのように4つのコマを描画した時点で、それぞれの頂点も1角分ずつシフトしています
一方、パターンBではコマの開始点と終了点の間隔が5角分あるので、4コマ描画した時点で、#4のコマの終了点は#1のコマの開始点に重なってしまいます
これでは、20角の星型を描こうとしても『一筆書き』では4角形の星型になってしまい、それ以上の角数を描くことが出来ません
今回のように28角形だけ使うのであれば構わないのですが、いろいろな角数に拡張しようと思っても、パターンBでは10角形や15角形など、5の倍数の角数の星型を『一筆書き』で仕上げることが出来ないので、パターンAを使っているわけです
ところで、コマが垂直でなく右上のところに斜めに描いているのが気になる方もいるかも知れないので、ここで言い訳です
「フリーフォーム」を描く時、時計の12時の位置を開始点として右回りに書くことが多いのですが、この時、左上の象限に節点が入らないようにしてます
角数のバリエーションを描く時、左上の象限に節点があると、その位置をアルファベットの記号で割り振っているので、角数に応じて記号を変更しなければならないからです
(詳しくは、描画ツールを公開した時に説明したいと思います)
複数のコマを編集して新しいコマを作る
今回の作品は28角形を7角形の複合型に編集してします
原型の28角形を描いてから、連続する4つのコマを編集して新しいコマを作っています
新しいコマは上図左のサンプルの節点AからB、C、Dを経由してEが終了点となるように連結します
同時に、#1、#2、#4の頂角の頂点の位置を中心側に移動して、全体のイメージを7角形の複合型になるようにアレンジします
新しいコマの節点には、異なる線分が共有する節点があるので、「フリーフォーム」を描く上では33個の節点を指定しています
図形全体では(33-1)×7=224個の節点と、448個の方向点を指定して描いています
28角形の原型から7角形の複合型に編集したものが下の図形です(赤線がコマです)
一番大きな頂角を意識すると、何となく7角形が見えてくるのではないでしょうか
仕上げ
今回の作品のもう一つの特徴は中心部分にスペースを確保したところです
ここに文字を入れた場合に、周りの格子と干渉しないように広めにしました
黒を基調に、青紫を使い、明度を変えて広がりを感じるように配色しました
アレンジ